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TVをつけたら映画をやっていて、いつもなら途中から観ることはしないんだけど
何となく魅かれるものを感じてそのまま観始め、結局最後まで観てしまいました(笑)
番組説明によると―
余命3ヶ月と宣告された女子高生のなぎさは、父に黙ってかつて暮らした海辺の街へと旅立つ。
そこには初恋の人、石川聡が今も住んでいた。
病気のことは告げぬまま旅行といつわり、聡の家に泊めてもらうなぎさ。
聡とすごす日々で、楽しかった思い出をふり返りつつ彼への想いを募らせるなぎさだったが、
聡にはつき合っている女性がいた。人妻の絵里子と不倫を重ねていたのだ。
―てことで、そういう先入観の下に見続けたわけですが
何も知らないまま最初から観ていたら、また違った印象を受けたかもしれません。
使い古された題材かもしれませんが
ただ淡々と、ひたすらに、主人公なぎさの心に寄り添った描き方に
どうにも目を逸らさせない何かが漂っているように感じました。
動画サイトのおかげで見逃した最初の部分も観ることが出来たのですが、
タイトルが出るところは、ちょいダサい感じで>スミマセンスミマセン
もしかしたら、ここで挫折していた可能性も大だな、と思ったんですけど(笑)
旅の始めに野良猫が死ぬところを目撃するところと、
まどかちゃんに早いうちに遭遇するところは、
やはり最初から知っておいた方が良いです>って、大抵は最初から観ますよね(笑)
手持ちカメラ(多分)で、ただ淡々と、なぎさを追い続けていく微妙に揺れる映像。
ただ十字路を歩いて渡るという何でもないシーンでさえも、何か不安定で危なっかしくて、
ちょっと酔いそうになります。
ドキュメンタリー・タッチってやつなんでしょうけど、個人的には苦手な方かも…。
それでも観るのをやめようと思わなかったのは、それがそのまま、なぎさの心情として
こちらの心にぶつかって来るからだと思います。
台詞は少なく、地味で、ちょい暗めで、
物語的には衝動的な部分もあるのだけれど、ドラマチックに描くことをしません。
そうした手法が、クライマックスのなぎさの長台詞を効果的にしていると思います。
このシーンは良いです。
やるじゃん、堀北!って感じ(笑)
聡の家に滞在しながらも、なぎさは荷物をバッグに詰めたままでした。
外出する時にも、バッグを抱えていくことが多かったです。
薬を入れているから、というのもあるかもしれないけど
やはり、そこは自分がずっと居る場所ではない、いずれ去らねばならない…と
承知している悲しい心を象徴しているかのように見えました。
聡の家に、というだけでなく…人生そのものに対して。
なぎさが自転車を盗んだのは、持ち主の少女達が明るく楽しそうで
それこそ、明日が来るのを当たり前に思っている人種の代表のように思えて
嫉妬心を感じたからなのでしょうか?
そんな生き生きとした少女達の自転車に乗って、風を切って走っていくなぎさは
自分には来ないかもしれない明日に向かっていきたかったのでしょうか?
その自転車に、まどかちゃんを乗せて、バッグも乗せて、なぎさは再び走ります
自転車とバッグのストラップが同系色で絵的に綺麗です。
荒れた海も綺麗です。
カリカリと音をたてて食べていたアイスを地面に置き去りにして、
手を繋いで海に向かっていく2人の背中が綺麗です。
何故、彼女はあんな行動を取ったのでしょう?
嫉妬?聡への訴え?自暴自棄?
…分かりませんが、そんな単純なものではないのでしょうね。
色々な感情が入り混じっていながらも、それらを超えたものがあったのかも。
聡に面と向かって思いを打ち明けることをしなかった彼女は、
電話での父親との会話の中で、ボソッとひとり事の様に呟きます。
「私、恋した」
そんな彼女を迎えに来た聡は、父親から連絡を受けて事情を知ったのかと一瞬思いましたが
その後の反応を見ると、やはり知らないままなのでしょうね。
でなければ、死にゆく猫の話と繋がらなくなりますよね。
短かった人生の思い出を語った後、バスを降りるなぎさ。
彼女はとうとう何も告げないまま、聡の状況は何も変わらないまま。
でも、きっと彼女がこの世にいなくなってしまった後で、
聡は自分の人生に真正面から向き合うことになるのでしょう。
その後、どんな道を取ることになるのかは分からないけれど。
「またね」
の言葉が、とても切なかったです。
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